換気というと皆さんはまず窓を開けるということを考えるのではないでしょうか。
確かに窓を開けて空気の入れ替えをすることは気持ちよく感じることと思います。ですが1日中窓を開けたままにしておくということは出来ません。空気が汚れたと感じた時だけ換気すればいいのではないかと思われるかもしれませんが、室内環境は私たちが意識するより以前に常に換気をしている状態でなければなりません。
室内には様々な空気の汚れが存在しています。住宅の空気の汚染物質と言われてまず思いつくのはシックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)ですね。VOCは石油由来のベンゼン等が気体となって発散され大気汚染や地下水汚染の原因になると言われています。急速に高まった近年の住宅の高気密化に十分な換気対策を伴ってこなかったことがシックハウス症候群を引き起こしました。最近の建材ではその原因物質となる化学物質の使用量が制限されている為、一定の換気が確保されていれば問題ないということになっています。ですが、制限されているというだけで禁止されているわけではありません。その物質を長期間にわたり室内で摂取し続けても安全という保障はどこにもありません。さらに住宅に置く家具やカーテンなどには現在何の規制もないのが現状です。
次に排出しなければならない有害物質は二酸化炭素です。二酸化炭素は調理をする際に使うガスなどの化石燃料や人の呼吸から発生します。二酸化炭素の濃度が上がると集中力の低下、疲労感などが出ると言われています。
そして最後に菌ですね。換気がきちんとできていないと家族が一人風邪をひくと一家全員感染してもおかしくはありません。病院では1時間に2回空気を入れ替えるだけの換気量を確保することが義務付けられています。これは実に住宅の4倍の換気量にあたります。
以上の様な理由を考えるとはじめに書いたように自身が換気をしたいと思ったときに窓を開けるだけでは遅い、足りないということはおわかりいただけると思います。人が健康に生活をするためには常に換気をしている状態であることが必要です。そこで2003年に24時間連続運転する換気扇の設置が法律で義務付けられました。なので、それ以降に建築された一般的な住宅には何かしらの24時間換気が設置されています。
良い空気の流れはしっかりと考え計画された換気で実現します。計画換気とは空気の入口(吸気)と空気の出口(排気)を明確にするという事です。換気のアイテムを対角に考えて配置することが重要でそれにより室内にまんべんなく空気が行き届くのです。また吸気の際には花粉やpm2.5、蚊などの小さな虫の侵入を止めるために必ずフィルターで防塵対策をする必要があります。
私共の会社ではダクト式第3種換気を採用しています。各居室に張り巡らされたダクトにより汚れた空気をファン本体へ1ヵ所に集めて排気します。さらに非常に大きなパワーで十分な換気量を常に維持し続けます。換気システムには安定したパワーが必須であると考えています。
ダクトレス換気の場合トイレや浴室だけと局所的にしか換気できず空気の汚れが停滞する恐れがあります。局所換気ではパワー不足になりやすいと考えられます。
換気計画されていない住宅は生活上発生する空気の汚れや水蒸気等が停滞するのに対してしっかりと計画されたパワーのある機械的な換気で入口と出口を明確にし換気をコントロールすることで室内の空気のクオリティーは大きく向上します。私たちが健康で快適に暮らしてく為にはとても大切な換気のお話でした。
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