自然素材住宅・木と漆喰の家づくり.奈良・天理の工務店ココファミーユ.夢工房

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2023年5月7日

茅葺屋根は断熱材!自然素材でつくる家

奈良県天理市で自然素材と快適な暮らしを提案する㈱夢工房スタッフです。
大和郡山市にある奈良県立民族博物館にある「旧八重川家住宅」が屋根の葺き替えが完了したそうです。

美しい姿に職人さんの丁寧な仕事が垣間見えますよね。

奈良県立民族博物館内にある別の棟

 

苔が生え、みすぼらしくなっていた屋根が葺き替えられるとこんなにもきれいに見えるんですね。(写真は奈良県HPのものです。近くなので、見に行きたいと思いながら、なかなか行けていないのですが、、)

葺き替え前

引用 http://kominkatanbou.web.fc2.com/29Nara/29203_Yamato-Yaegawa/Yaegawa.html

 

 

ヨーロッパで茅葺屋根が再興しているらしい。

日本では伝統文化的に保存目的になってしまっていますが、ヨーロッパでは別荘や高級住宅に茅葺屋根が使用されているそうです。
日本でも見直しする動きが出ていますが、残念ながらまだまだ道のりは長そうです。

 

と言うのも、

日本に茅葺屋根が減ってしまったのは、火に弱いため。

一度火がついてしまうとまわりに燃えてしまいます。そして、周辺にも火の粉を降らせてしまうために、家が立ち並ぶ場所では建てることができません。

 

現代では制限があるために一般的に家を建てられるエリアには法22条防火地域に指定され、茅葺屋根は建てることができなくなりました。
そのため、一部の地域を除いて茅葺屋根にすることができないため姿を見ることは本当になくなってきました。

 

しかし、その歴史は古く。
縄文時代にはすでに茅葺屋根の建物もあったそうです。

弥生時代の竪穴住居 登呂遺跡 https://www.shizuoka-toromuseum.jp/

 

また茅葺屋根は日本だけでなく、世界でも茅葺屋根の建物は見られ、ドイツや北欧諸国など現代の住宅先進国でも茅葺屋根は使われてきました。

そんな茅葺屋根が世界で再興されているそうです。

 

オランダ・ミッデンデルフトランドの消防署
https://www.dezeen.com/2013/04/17/town-hall-midden-delfland-by-inbo/

 

たしかに今の技術ならば、
燃えないように茅を加工することはできそうです。

消防署が燃えやすい茅葺屋根ってなんてキャッチ―なことを!って思いますよね。環境保全の意識の高まりとともに茅葺屋根は見直されていきそうですね。

 

 

茅葺屋根は断熱材!

世界遺産にもなっている白川郷は豪雪地帯ですから冬景色を見ると本当に寒そうです。
埋まるほどの雪に囲まれても、意外にも暖かいのだそうです。

ドイツや北欧諸国も寒い地域です。
茅葺屋根は高い断熱性からも使用されているということがわかります。

 

断熱性能はどれぐらいなのだろうと思い、調べてみると
少し難解ですが、『茅葺き屋根の居住性を評価するための屋根の熱移動係数』という面白い論文を見つけました。

 

『茅葺き屋根の居住性を評価するための屋根の熱移動係数』
高橋勝六 ,井上尚子,中村けい,冨田明美
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/63/5/63_257/_pdf

 

約50センチ四方の箱をつくり、
合計9種類の屋根材でどれぐらい断熱性能が発揮できるのか実験している論文です。
① 10cm の発泡スチレン
②乾燥した茅
③乾燥した芝生
④樫の木の落葉
⑤ベニヤ板 1 枚
⑥2.5mm の空隙とベニヤ板を加えてベニヤ板2枚
⑦⑥+ベニヤ板 1枚(ベニヤ板3枚)
⑧⑦+ベニヤ板 1枚(ベニヤ板4枚)
⑨ 12.5mm の空隙をベニヤ板 2 枚で挟んだもの

実験の結果
②乾燥した茅は0.041W/(m K) とグラスウールと同じ程度の熱伝導率性能を発揮し、断熱材に匹敵する性能だったそうです。

 

 

自然素材を選ぶこと

とは言え、
日本で茅葺屋根にすることは残念ながら、法令的にも、予算的にも、技術的にも難しい問題があります。ヨーロッパと違い、伝統文化的な技術の継承にとどまる日本では個人宅で茅葺屋根の維持もままならない。

現在、住宅で使用できる茅葺屋根に近いものはセルロースファイバーや木質断熱材です。

 

木の繊維から製造されたこれらの断熱材を屋根断熱に使用することで茅葺屋根と同じように高い断熱性とともに蓄熱性能・調湿性能を持っています。
また吸音性能が高いので、室内での反響音も軽減されます。

 

 

ココファミーユ|夢工房ではこれらの断熱材を使用した家づくりをしています。
環境保全や環境負荷軽減の観点もありますが、それ以上に数値以上の快適性をもたらすこれらの建材は、日本の気候風土に適しているから住み続けたいと思えるお家を建てられると考えているから。

 

茅葺屋根が屋根材としてだけでなく、気が遠くなるほど期間、変わるもののなく選ばれてきたのには、それらの性能を併せ持っていたから。

家で快適に暮らしたいと願いはいつも変わらなかったはずです。

 

古くて、実は最先端な茅葺屋根。
先人たちの知恵と想いから学べることもありそうです。

 

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