気密のはなし

 

 

前回は換気について書きましたが、この換気に密接に関係する気密について今回は書いてみようと思います。

 

近年、住宅を考えるうえで必ず出てくる言葉として高断熱・高気密があると思います。気密性を高めると何となく息苦しい、空気が澱んでしまうというイメージがあるかもしれませんがそれは全くの逆なんですよ。前回書いた計画換気というのは気密をきちんととることでしっかり計画通りの換気が出来るのです。逆に言うと気密性能が低いお家の方が正しい換気がされないということになります。

 

よく例えられるのは気密と換気の関係をストローでジュースを飲むときの状態に例えてみることです。ストローを気密、ジュースを新鮮な空気と考えたときしっかりとしたストローの先をジュース(新鮮な空気)の中に入れて吸い込むと何の問題もなく飲むことが出来ます。吸う強さによって飲むジュースの量も自由にコントロールできます。これが理想的な計画換気の状態です。

 

しかし、このストローに小さな穴が沢山あいていたらどうなりますか。穴から空気がスースーと抜けてジュースは吸いにくくなります。またその穴から意図せぬジュースを取り入れてしまい、本来吸い込むべきストローの先からはあまり取り込むことが出来ない状態になるのです。この穴というのは住宅の隙間、そして穴から入る意図しないジュースを漏気と呼びます。漏気があると計画した換気が出来ません。つまり気密を万全にするという事は換気をコントロールするために意図しない漏気を防ぐという事なのです。

 

高気密・高断熱の家は快適と言われるのはなぜなのでしょうか。

 

高性能住宅でよく言われるのは冬暖かく夏涼しいというフレーズだと思います。

なぜ冬暖かいのか。魔法瓶を思い出してみてください。沸騰したお湯もそのままにしておくとどんどん冷めて100℃のお湯も30分程度で半分の50℃まで冷めてしまいます。このお湯を保温しておくために使われるのが魔法瓶。魔法瓶は中と外の間を真空状態にして内部の熱が逃げないように断熱。さらに蓋をしっかり閉めて密閉することで外部の空気に触れることなくお湯を保温することが出来ます。この様にしっかりとした断熱と気密によって暖められた空気を外へ逃げないようにすることで冬でも暖かい環境を保つことができます。

 

夏の涼しさはクーラーボックスを想像して下さい。仕組みは魔法瓶と同じくクーラーボックスの周囲に断熱材をしっかり入れることで外部の熱が内部に伝わることを防いで保冷されていますよね。もちろん外の空気が入らない様蓋もしっかりと密閉。同じようにしっかりとした断熱と気密によって夏の暑さが家の中に影響しないように、そしてクーラーで冷やされた空気が外部へ逃げないようにすることが出来るのです。

 

よく勘違いされるのは高断熱・高気密のお家は何もしなくても冬暖かく夏涼しいと思われていること。魔法瓶も熱いお湯をいれてそれを保温する、クーラーボックスも保冷材などで庫内の空気を冷えた状態にすることが必須です。同じように高断熱・高気密の住宅もまずは家の中の空気を快適な状態にすることが必要です。高性能住宅は非高性能住宅に比べて快適な状態にすることが省エネルギーでできたりその状態を長く保つことができるということです。そして部屋だけでなく家全体を同じような快適な状態に保つことが出来るのがお家の快適性に繋がるのです。

 

気密性を高めるという事は家の隙間を減らすことという事は既にお伝えしました。そのためには寸法誤差のない高品質の材料を使用し、材の接合部分を気密シートや気密テープで隙間なく施工していく必要があります。

また、どうしても必要な外部との開口部やボルトの部分などはウレタン等でしっかり隙間を埋める必要があります。通常のお家では必要のない手間とコストをしっかりとかけて丁寧な施工をすることが家の気密には何より大切です。

 

 

 

そしてこの気密性は実際に数値で表すことのできる唯一のお家の性能です。断熱性能や耐震性能は計算上の性能であり施工精度を問われにくい数値とも言えます。対して気密性は気密測定という検査方法が確立されています。逆に言えば図面からの計算で求めるものではなく、現場にて実際に測定をしなければ数値は得ることはできません。そして実際に測定し数値が会社基準より上回っている場合は工事のやり直しとなります。はっきりとした数値が出るからこそ、職人は決して手を抜くことが出来ずしっかりと丁寧な施工が求められるのです。職人も数値が目で見えることで一層気持ちも引き締まるのかもしれないですね。

 

 

 

 

気密についてのお話でした。


 

 

 

 

 

 

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